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ヤミ金融の種類とは

(1)非対面型○九〇金融
ヤミ金融対策法施行後は、ダイレクトメールや電話などで融資勧誘を行い、被害者と顔を合わせることなく携帯電話で取立てを行い、「口座屋」から入手した他人名義の預貯金口座に弁済金を送金させる無登録の「非対面型○九〇金融」が急増し、ヤミ金融の中でも圧倒的多数を占めるに至っている。全国ヤミ金融対策会議が二〇〇七年五月末に実施した「全国一斉ヤミ金融一一〇番」の集計結果によると、非対面型○九〇金融は、ヤミ金融全体の五九%を占めている。

(2)対面型○九〇金融
「対面型○九〇金融」は、電柱とかガードレールの貼り紙や看板などで、携帯電話番号だけを掲載して「即日融資」「宅配融資」「テレフォンキャシング」「ブラックOK」「自己破産者OK」などと広告宣伝している。携帯電話に電話をすると、債務者の近くのスーパーの駐車場などにヤミ金融業者がベンツやワゴン車で乗りつけ、車の中で現金を渡して貸し付けている。被害者と顔を合わせる対面型○九〇金融は、債務者の生活圏内で営業しているヤミ金融といえる。対面型○九〇金融は、地元の暴力団とつながっている業者も多く、すべて無登録業者である。ヤミ金融対策法の施行により、○九〇金融の広告が禁止されたので、このところ○九〇金融の貼り紙や看板は減少してきている。前述した全国ヤミ金融対策会議の「全国一斉ヤミ金融一一〇番」の集計結果によると、対面型○九〇金融が占める割合は、一四%となっている。

(3)都道府県知事の貸金業登録をしたヤミ金融
二〇〇二年~二〇〇三年当時は、都道府県知事登録をしたヤミ金融業者、なかでも東京都知事登録をしたヤミ金融業者が、ヤミ金融の中でも多数を占めていた。東京都知事登録をしたヤミ金融業者の中でも、登録して三年未満で更新番号が①のヤミ金融業者が多かったので、このようなヤミ金融業者は「都①業者」と呼ばれていた。二〇〇三年七月二五日に成立したヤミ金融対策法や二〇〇六年一二月一二日に成立した新貸金業法でヤミ金融の罰則が大幅に強化されるとともに、警察によるヤミ金融の取締りが強化されたため、最近では都道府県知事の貸金業登録をしたヤミ金融業者は、大幅に減少してきている。前述した全国ヤミ金融対策会議の「全国一斉ヤミ金融一一〇番」の集計結果によると、東京都知事登録のヤミ金融業者が占める割合は六%、道府県知事登録のヤミ金融業者が占める割合は四%となっている。

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ヤミ金融のターゲットは多重債務者や自己破産者である

多重債務者は、多数のクレジット・サラ金業者から借入れがあり、すでに自分の収入では返済できなくなっており、借金返済のために新たな借金をするという自転車操業状態に陥っている。このような返済資金に窮した多重債務者は、ヤミ金融の格好のターゲットとなるのである。ヤミ金融は、自己破産者もターゲットにしている。二〇〇八年一年間における個人の自己破産申立件数は、一二万九五〇八件であり、この一〇年間で一七〇万人を超える人が自己破産申立てをしている。

破産すると、前述した銀行系・クレジット系・サラ金系の信用情報機関に破産したことが事故情報として登載されることになる。この事故情報に関しては、銀行系・クレジット系・サラ金系の信用情報機関がそれぞれ情報交換を行っているので、破産すると、どこからも借りられなくなる。自己破産申立てをして免責許可決定を得ると、いったんは多重債務から解放されるのであるが、免責許可決定を受けた後も低所得で生活が苦しい人が多いので、ヤミ金融はそういう人をねらっているわけである。

ヤミ金融の被害者の大半は、ダイレクトメール・ファックス・電話などで融資勧誘を受けている。つまり、ヤミ金融の被害者は、「ヤミ金融から狙いをつけられて借金させられている」というのが実情なのである。ダイレクトメールには、「一〇〇%融資」「即刻融資」などの文言とともに、金利は年二九・二%以下の低い金利が記載されているが、金利に関しては全く出鱈目なわけである。ダイレクトメール・ファックス・電話などによる勧誘を可能にしたのは、「名簿屋」の存在である。

ヤミ金融業者は、「名簿屋」を通じて多重債務者や自己破産者の名簿を不正入手している。二〇〇三年六月一六日「三恵データサービス」という名簿屋が出資法違反幇助容疑で警視庁に逮捕されたが、この名簿屋は何と三〇〇万人分の多重債務者の名簿を収集していたということである。ヤミ金融の一部は、新聞の折込広告やスポーツ新聞・夕刊紙・雑誌・インターネットなどでも広告を出している。このような広告を出しているのは貸金業の登録を取っているヤミ金融業者である。

ヤミ金融被害の現状

ヤミ金融とは、無登録で営業している金融業者または貸金業登録の有無にかかわらず、出資法(年二九・二%を超える利息の契約一受領・要求をしたときは、五年以下の懲役もしくは一〇〇〇万円以下の罰金に処せられ、またはこれらが併科される。年一〇九・五%を超える利息の契約一受領・要求をしたときは、一〇年以下の懲役もしくは三〇〇〇万円以下の罰金に処せられ、またはこれらが併科される)に違反して、超高金利で貸付けを行う金融業者のことである。ヤミ金融は、貸金業規制法や出資法に違反して営業を行っているので、「犯罪」を行っていることになる。

もともと、ヤミ金融は、貸金業の登録をしないで無登録で営業を行う、まさに「闇」の業者が多かつたのであるが、一九九〇年代末頃より、貸金業の登録をした上で出資法の金利規制に違反する超高金利で貸付けを行うヤミ金融が大量に出現するようになった。登録業者の中でも特に目についたのが東京都知事登録業者である。二〇〇三年七月二五日に成立したヤミ金融対策法(貸金業規制法と出資法の一部改正法)の施行(二〇〇四年一月一日より全面施行)以前においては、貸金業の登録は都道府県知事登録の場合、四万三千円の登録手数料さえ支払えば貸金業規制法六条の登録拒否事由(破産者で復権を得ない者など)に該当しない限り、誰でも簡単に登録ができることになっていた。

サラ金やクレジットの支払日が通常一ヵ月に一回であるのに対し、ヤミ金融の支払日は通常一〇日に一回あるいは一週間に一回となっている。このため、ヤミ金融は「短期高利金融業者」あるいはただ単に「短期金融」とも呼ばれている。最近のヤミ金融は、「トヨン」(一〇日で四割、年一四六〇%)、「トゴ」(一〇日で五割、年一八二五%)が主流となっており、中には金利が一日一〇割(年三万六五〇〇%)、一日二〇割(年七万三千%)という途方もない超高金利をとるヤミ金融も出現してきている。

日掛け金融被害

日掛け金融(日賦貸金業者)とは、①従業員五人以下の小規模零細事業者を貸付けの対象とする、②返済期間が一〇〇日以上である、③一〇〇分の五〇以上の日数にわたり債務者の営業所または住所に自らがおもむいて集金する、ことを業務方法とする貸金業者のことであり(出資法附則第九項)、日掛け金融に関しては、出資法の附則第八項において年五四・七五%の特例金利が容認されてきた。商工ローン問題を契機として出資法の改正が行われ、二〇〇〇年六月一日より出資法の上限金利(刑罰金利)が年四〇・〇〇四%から年二九・二%に引き下げられたことから、それまで出資法の附則第八項において年一〇九・五%の特例金利が容認されていた日掛け金融業界に大量の業者が参入し、日掛け金融による被害が全国的に拡大するようになった。

日掛け金融は、西日本、特に九州地方に多く存在し、九州地方では登録貸金業者の約二割が日掛け金融であり、なかでも沖縄は一時登録貸金業者の約四割が日掛け金融となっていた。日掛け金融による被害が全国的に拡大してきたため、国会でも日掛け金融問題が取り上げられ、二〇〇〇年五月一日、日掛け金融問題に関する出資法と貸金業規制法の改正が行われ、改正法は二〇〇一年一月一日より施行された。改正法の主な内容は、日掛け金融の特例金利を年一〇九・五%から年五四・七五%に引き下げる、日掛け金融業者が債務者の営業所または住所におもむいて自ら集金する日数を返済期間の一〇〇分の七〇以上から返済期間の一〇〇分の五〇以上に変更するというものである。

しかしながら、日掛け金融の特例金利が年一〇九・五%から年五四・七五%に引き下げられたとしても、依然として超高金利であることに変わりなく、法改正後も日掛け金融の被害は全国的に拡大し続けてきた。二〇〇六年一二月一三日成立した新貸金業法では、新貸金業法の本体施行(二〇〇七年一二月一九日)より二年半以内、新貸金業法の公布(二〇〇六年一二月二〇日)からおおむね三年を目途に、日掛け金融の特例金利を廃止することにしている。したがって、新貸金業法の完全施行後は、日掛け金融による被害はなくなるものと思われる。

商工ローン被害

経営難・資金難に陥っている中小零細事業者が、年二五~二九・二%もの高金利の運転資金を借り入れれば、いずれ倒産に追い込まれるのは必至である。商工ローン業者は、債務者の中小零細企業がいずれ倒産するのを見越して多数の保証人をとり、高金利のお金を貸し込んでいっているわけである。「金利は債務者から、元本は保証人から」というのが、商工ローン業者の合言葉となっている。二〇〇〇年一月二七日には、恐喝未遂罪で起訴された元社員の東京地方裁判所における有罪判決を 受けて、金融監督庁(当時)・近畿財務局は、日栄全店に対し七日間の業務停止、事件の舞台となった東京支店・千葉支店に対しては九〇日間の業務停止を命じる行政処分を行っている。

なお、日栄に関する上告事件が最高裁の第一、第二、第三小法廷で係属していたが、二〇〇三年七月一八日(第二小法廷)、九月一一日(第一小法廷)、九月一六日(第三小法廷)において、それぞれ日栄の子会社である日本信用保証の保証料も利息とみなす債務者側全面勝訴の判決言渡しが行われている。業界第一位の日栄八現「ロプロ」)が暴力的・脅迫的債権回収を行ってきたのに対し、業界第二位の商工ファンド(「現SFCG」)は、裁判所を最大限に利用した債権回収を行ってきた。商工ファンドは、一時全国的に支配人による手形訴訟を大量に提起する方法で債権回収を行い、全国の地方裁判所における手形訴訟の六〇~七〇%は商工ファンドの手形訴訟で占められるという異常事態となっていた。

商工ファンドの手形訴訟に関しては、東京地方裁判所は、二〇〇三年一一月一七日、商工ファンドの手形訴訟を不適法として却下する画期的な判決を言い渡している。また、二〇〇〇年四月には、商工ファンドの社員が、有印私文書偽造罪と貸金業規制法違反の容疑で警視庁に逮捕されている。これを受けて、金融監督庁(当時)・関東財務局は、商工ファンド全店に対し三日間の業務停止、社員が在籍した府中支店に対し九〇日間の業務停止を命じる行政処分を行っている。さらに、二〇〇四年二月二〇日には、商工ファンドに関する上告事件で最高裁第二小法廷が、利息制限法の例外である「みなし弁済規定」の適用については厳格に解釈すべきであるとし、商工ファンド側の「みなし弁済規定」適用の主張を認めず、債務者側全面勝訴の判決を言い渡している。

二〇〇六年一二月一三日成立した新貸金業法では、新貸金業法の本体施行(二〇〇七年一二月一九日)から二年半以内、新貸金業法の公布(二〇〇六年一二月二〇日)からおおむね三年を目途に、貸金業規制法四三条の「みなし弁済規定」(グレーゾーン金利)を廃止し、出資法の上限金利を年二九・二%から年二〇%に引き下げ、利息制限法の制限金利(年一五~二〇%)を超える金利での貸付けは禁止されることになっている。したがって、新貸金業法の完全施行後は、商工ローン業者も、利息制限法の制限金利(年一五~二〇%)を超える貸付けができなくなるわかである。

商工ローン・日掛け金融被害の現状

商工ローンは、中小零細事業者向けのサラ金といってもよい高利金融業者である。これまでは、商工ローンもサラ金と同様、年二五~二九・二%もの高金利で貸付けを行ってきていた。商工ローンの貸付けの対象となるのは、銀行などの金融機関から融資が受けられない中小零細事業者である。このような経営難・資金難に陥っている中小零細事業者を格好のターゲットとして、日栄(現「ロプロ」)・商工ファンド(現「SFCG」)を始めとする商工ローン業者が急速に融資を拡大して過酷な督促・取立てを繰り返したため、一九九九年頃より商工ローン問題は大きな社会問題となってきた。

サラ金が無担保・無保証で二〇~五〇万円程度を限度として貸付けをするのに対して、商工ローンは担保や保証人をとって一〇〇~五〇〇万円、場合によっては一千~五千万円という高額な貸付けを行っている。商工ローンは、貸付けの対象がもともと経営難・資金難に陥っている中小零細事業者であることや貸付金額がサラ金と比較して高額であることから、貸付けにあたり手形や不動産など様々な担保をとったり保証人をとったりしているのが一般的である。サラ金問題では、サラ金の高金利、過剰融資、過酷な取立てのいわゆる「サラ金三悪」が問題となったが、商工ローン問題では、高金利、過剰融資、過酷な取立てという「三悪」に加えて、「根保証問題」が大きな問題となった。

商工ローンの保証契約は、「根保証契約」という特別の契約形態をとっている。根保証契約は、「継続的取引関係から生ずる不特定の債務に関し、一定期間、一定金額(保証限度額)を継続的に保証する」というような契約である。つまり、通常の保証契約の保証人は、一〇〇万円の金銭消費貸借契約の保証人であれば一〇〇万円を限度で保証責任を負えばよいのであるが、根保証契約においては、たとえば保証人が五年間の間保証限度額(極度額)一千万円の保証をするという契約をした場合、根保証契約を締結した際の債務者の借入れが一〇〇万円であったとしても、その後債務者が五年以内に追加借入れを行い、一千万円以上の債務を抱えて倒産してしまったときは、保証人となった人は一千万円の保証責任を負わされることになる。

ところが商工ローンの営業のやり方は、根保証契約に関しては十分な説明を行わず、保証人には一〇〇万円の保証と思わせておいて結果的には保証限度額(極度額)の一千万円の保証責任を追及する、というような詐欺的商法ともいうべき営業を行っていた。商工ローンの保証人には、通常、一般のサラリーマンや公務員などがなっていることが多く、一債務者について平均して三~四人の保証人がついている。また、保証人の数が一〇人を超えるケースも珍しくない。

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