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商工ローン・日掛け金融被害の現状

商工ローンは、中小零細事業者向けのサラ金といってもよい高利金融業者である。これまでは、商工ローンもサラ金と同様、年二五~二九・二%もの高金利で貸付けを行ってきていた。商工ローンの貸付けの対象となるのは、銀行などの金融機関から融資が受けられない中小零細事業者である。このような経営難・資金難に陥っている中小零細事業者を格好のターゲットとして、日栄(現「ロプロ」)・商工ファンド(現「SFCG」)を始めとする商工ローン業者が急速に融資を拡大して過酷な督促・取立てを繰り返したため、一九九九年頃より商工ローン問題は大きな社会問題となってきた。

サラ金が無担保・無保証で二〇~五〇万円程度を限度として貸付けをするのに対して、商工ローンは担保や保証人をとって一〇〇~五〇〇万円、場合によっては一千~五千万円という高額な貸付けを行っている。商工ローンは、貸付けの対象がもともと経営難・資金難に陥っている中小零細事業者であることや貸付金額がサラ金と比較して高額であることから、貸付けにあたり手形や不動産など様々な担保をとったり保証人をとったりしているのが一般的である。サラ金問題では、サラ金の高金利、過剰融資、過酷な取立てのいわゆる「サラ金三悪」が問題となったが、商工ローン問題では、高金利、過剰融資、過酷な取立てという「三悪」に加えて、「根保証問題」が大きな問題となった。

商工ローンの保証契約は、「根保証契約」という特別の契約形態をとっている。根保証契約は、「継続的取引関係から生ずる不特定の債務に関し、一定期間、一定金額(保証限度額)を継続的に保証する」というような契約である。つまり、通常の保証契約の保証人は、一〇〇万円の金銭消費貸借契約の保証人であれば一〇〇万円を限度で保証責任を負えばよいのであるが、根保証契約においては、たとえば保証人が五年間の間保証限度額(極度額)一千万円の保証をするという契約をした場合、根保証契約を締結した際の債務者の借入れが一〇〇万円であったとしても、その後債務者が五年以内に追加借入れを行い、一千万円以上の債務を抱えて倒産してしまったときは、保証人となった人は一千万円の保証責任を負わされることになる。

ところが商工ローンの営業のやり方は、根保証契約に関しては十分な説明を行わず、保証人には一〇〇万円の保証と思わせておいて結果的には保証限度額(極度額)の一千万円の保証責任を追及する、というような詐欺的商法ともいうべき営業を行っていた。商工ローンの保証人には、通常、一般のサラリーマンや公務員などがなっていることが多く、一債務者について平均して三~四人の保証人がついている。また、保証人の数が一〇人を超えるケースも珍しくない。