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商工ローン被害

経営難・資金難に陥っている中小零細事業者が、年二五~二九・二%もの高金利の運転資金を借り入れれば、いずれ倒産に追い込まれるのは必至である。商工ローン業者は、債務者の中小零細企業がいずれ倒産するのを見越して多数の保証人をとり、高金利のお金を貸し込んでいっているわけである。「金利は債務者から、元本は保証人から」というのが、商工ローン業者の合言葉となっている。二〇〇〇年一月二七日には、恐喝未遂罪で起訴された元社員の東京地方裁判所における有罪判決を 受けて、金融監督庁(当時)・近畿財務局は、日栄全店に対し七日間の業務停止、事件の舞台となった東京支店・千葉支店に対しては九〇日間の業務停止を命じる行政処分を行っている。

なお、日栄に関する上告事件が最高裁の第一、第二、第三小法廷で係属していたが、二〇〇三年七月一八日(第二小法廷)、九月一一日(第一小法廷)、九月一六日(第三小法廷)において、それぞれ日栄の子会社である日本信用保証の保証料も利息とみなす債務者側全面勝訴の判決言渡しが行われている。業界第一位の日栄八現「ロプロ」)が暴力的・脅迫的債権回収を行ってきたのに対し、業界第二位の商工ファンド(「現SFCG」)は、裁判所を最大限に利用した債権回収を行ってきた。商工ファンドは、一時全国的に支配人による手形訴訟を大量に提起する方法で債権回収を行い、全国の地方裁判所における手形訴訟の六〇~七〇%は商工ファンドの手形訴訟で占められるという異常事態となっていた。

商工ファンドの手形訴訟に関しては、東京地方裁判所は、二〇〇三年一一月一七日、商工ファンドの手形訴訟を不適法として却下する画期的な判決を言い渡している。また、二〇〇〇年四月には、商工ファンドの社員が、有印私文書偽造罪と貸金業規制法違反の容疑で警視庁に逮捕されている。これを受けて、金融監督庁(当時)・関東財務局は、商工ファンド全店に対し三日間の業務停止、社員が在籍した府中支店に対し九〇日間の業務停止を命じる行政処分を行っている。さらに、二〇〇四年二月二〇日には、商工ファンドに関する上告事件で最高裁第二小法廷が、利息制限法の例外である「みなし弁済規定」の適用については厳格に解釈すべきであるとし、商工ファンド側の「みなし弁済規定」適用の主張を認めず、債務者側全面勝訴の判決を言い渡している。

二〇〇六年一二月一三日成立した新貸金業法では、新貸金業法の本体施行(二〇〇七年一二月一九日)から二年半以内、新貸金業法の公布(二〇〇六年一二月二〇日)からおおむね三年を目途に、貸金業規制法四三条の「みなし弁済規定」(グレーゾーン金利)を廃止し、出資法の上限金利を年二九・二%から年二〇%に引き下げ、利息制限法の制限金利(年一五~二〇%)を超える金利での貸付けは禁止されることになっている。したがって、新貸金業法の完全施行後は、商工ローン業者も、利息制限法の制限金利(年一五~二〇%)を超える貸付けができなくなるわかである。