記事一覧

日掛け金融被害

日掛け金融(日賦貸金業者)とは、①従業員五人以下の小規模零細事業者を貸付けの対象とする、②返済期間が一〇〇日以上である、③一〇〇分の五〇以上の日数にわたり債務者の営業所または住所に自らがおもむいて集金する、ことを業務方法とする貸金業者のことであり(出資法附則第九項)、日掛け金融に関しては、出資法の附則第八項において年五四・七五%の特例金利が容認されてきた。商工ローン問題を契機として出資法の改正が行われ、二〇〇〇年六月一日より出資法の上限金利(刑罰金利)が年四〇・〇〇四%から年二九・二%に引き下げられたことから、それまで出資法の附則第八項において年一〇九・五%の特例金利が容認されていた日掛け金融業界に大量の業者が参入し、日掛け金融による被害が全国的に拡大するようになった。

日掛け金融は、西日本、特に九州地方に多く存在し、九州地方では登録貸金業者の約二割が日掛け金融であり、なかでも沖縄は一時登録貸金業者の約四割が日掛け金融となっていた。日掛け金融による被害が全国的に拡大してきたため、国会でも日掛け金融問題が取り上げられ、二〇〇〇年五月一日、日掛け金融問題に関する出資法と貸金業規制法の改正が行われ、改正法は二〇〇一年一月一日より施行された。改正法の主な内容は、日掛け金融の特例金利を年一〇九・五%から年五四・七五%に引き下げる、日掛け金融業者が債務者の営業所または住所におもむいて自ら集金する日数を返済期間の一〇〇分の七〇以上から返済期間の一〇〇分の五〇以上に変更するというものである。

しかしながら、日掛け金融の特例金利が年一〇九・五%から年五四・七五%に引き下げられたとしても、依然として超高金利であることに変わりなく、法改正後も日掛け金融の被害は全国的に拡大し続けてきた。二〇〇六年一二月一三日成立した新貸金業法では、新貸金業法の本体施行(二〇〇七年一二月一九日)より二年半以内、新貸金業法の公布(二〇〇六年一二月二〇日)からおおむね三年を目途に、日掛け金融の特例金利を廃止することにしている。したがって、新貸金業法の完全施行後は、日掛け金融による被害はなくなるものと思われる。